2001年日記

戻る

きょうちゃん」のひみつ日記 2001年5月

大好きだった さくらんぼほいくえん へは、いつ行くのだろうか? 今日も小学校にきた。小学校では、くつをはいて、ランドセルと、れんらくちょうと、きがえと・・・あーっと こんがらがってきたーというときも大丈夫!絵をかいたカードや写真のカードがあるからだ。きょうは、ひまわりの種をまいた。あとで聞いた話だが、えぬえっちけー とかいうニュースで、僕の顔がアップで映っていたそうだ。見たかった・・・とパパとママが言っていた。なぜ?いつも僕の顔は見ているのに?

( これは「きょうちゃん」からの手紙と言うタイトルでご近所の方にお手紙を書いたものです  5月28日2001年 )

「きょうちゃん」からの手紙

皆さん、始めまして 私は「梶川京祐」です。「きょうちゃん」と呼ばれています。
○○大学付属養護学校の小学1年生です。1年生としては標準の体格です。
「きょうちゃん」の親よりご挨拶
私たちは、「きょうちゃん」の養護学校入学のため、武雄市よりこの地に引っ越してまいりました。彼は、生まれつき脳に障害がありまして、特別な教育を受ける必要があるからでした。
この地にきてからも一度行方不明になり、警察のお世話にもなりました。パトカーも出動して、ご近所の方にも大変ご迷惑をおかけしました。探すのにご協力いただきまして、感謝しております。
ちょっと見ただけでは、脳に障害があるとは分かりませんが、いまだに言葉がありません。行方不明になったり、皆さんから見れば不思議な行動をとったりします。お金の感覚もまだありませんので、お店に勝手に入っていってアイスクリームを取ろうとします。人のものを取ったり、道の真中を歩くのは社会の決まりを守らないことになりますし、とても危険なことですので、ひとつひとつ教えているところです。
世間では「知恵遅れ」という表現をしますが、「きょうちゃん」のような人は「知恵遅れ」よりも重症の「自閉症」といいます。「自閉症」というと精神状態に障害があると思い込まれているふしがありますが、そうではなく、生まれつきの脳の障害です。大体700人にひとり出現しています。4対1の割合で男の子に多いという特徴があります。「きょうちゃん」は6歳ですが知能指数は1歳に満たない所が多くあります。大人になっても3歳程度の知能指数に届かない人も多いものです。
そういう風ですので、「きょうちゃん」を育てていくのは大変で、とても親だけでちゃんと育てるのは至難の技です。
「きょうちゃん」はラ・ポールに買い物にいうのを楽しみにしています。ですが、つれて帰るのが大変です。時にはおんぶして、また引きずるようにして帰ることがあります。人様から見れば、親から虐待にあっているのでは?と勘違いされるほど大声で泣いたりします。
川副町で、裸足だったりシャツを脱いだ男の子で、ふらふらまたはぶつぶつ独り言のような言葉を発して、声をかけても振り向かず、名前を聞いても答えず、人の目を見ず、虫刺されのあとがいっぱいある子供は 間違いなく迷子の「きょうちゃん」です。
どうぞ見かけられましたら、保護していただくか、警察に通報していただきますよう何卒よろしくお願いを申し上げます。

                                               E-mail  info@nature21.net

                                                梶川 京祐(B型)
                                                 佐賀郡川副町南里1971−10
                                                 保護者 梶川泰弘・ゆり子

      

「きょうちゃん」の日記  2001年1月○日
 4月からボクは、しょうがっこうに行く。の だそうだ。「ねんちょう」は雑巾がけをすることで、「しょうがっこう」とはそうじきをかけることのようだ。
 ということで、ボクは○大学のふぞくヨーゴ学校に行く。
 「きょうちゃん」のママの日記
いつまでも保育園のまま、大きくならないで欲しい・・・と「きょうちゃん」のようなお子さんをお持ちの方は一度ならず思われたのではないでしょうか。
それは出来ないこと・分かっていますが、小学校に進学という成長の喜びと、いつまでも腕の中にすっぽりはい仕込む小さな子供でいて欲しいと・・・
喜びと不安が入り交じる21世紀の始まりとなりました。
彼が二十歳になったら、二人で焼鳥屋さんに飲みに行こうっと!


       2000年 12月○日
        パトカー物語に引き続き、警察のお世話になる羽目となる・・・の巻
「きょうちゃん」の日記 今日は、保育園のお友達「まーくん」のおうちに行った。「まーくん」のおうちは、山の中にある。ふと、家に
帰ろうと思いついたが、車の鍵がない。僕はエンジンをかけたことはあるのだが、車の免許は持っていないので果たして運転して帰ることが出来るのだろうか??
それで歩いて帰ろうと思ったので、裸足で歩いた。痛かった。
   「きょうちゃん」ママの日記
お友達の家を抜け出して、数キロ先で偶然に保育園のエリコ先生に助けられた、「きょうちゃん」。
警察の到着とともにエリコ先生の車で登場した「きょうちゃん」。皆様 ご迷惑をおかけしました。


   12月×日 
「きょうちゃん」の日記
僕はレストランに行きたかったけど、ママはスーパーマーケットに僕を連れて行った。近頃は買い物車に
乗せてもらえない。買い物車に乗れるのは4歳までの子供なんだって、お店の人が言っていた。
肉のコーナーの先にお菓子のコーナー その先に?あっ!レレ?僕の好きなジョイフルが・・・!!
  「きょうちゃん」ママの日記
今日もスーパーで迷子(正確には行方不明)になった。皆様ご迷惑をおかけしました。「きょうちゃん」はするりと手を離して一目散にお菓子のコーナーへ・・・。先走りしてお菓子のコーナーで網を張っていた でも 現れるぬ「きょうちゃん」。私の頭の中は又警察のお世話になっている自分と我が子の姿を連想した。
息も切れ切れ、大きな交差点を横切りパチンコ店・本屋さん・コンビニ、そしてレストラン・・・そこには店員の若いお姉さんにだっこされて幸せそうな「きょうちゃん」の姿があった・・・。
「きょうちゃん」が交通事故に遭う前に、私の方が心臓麻痺で倒れないようにしなくては!と、冗談抜きで思いました。


 12月○日 クリスマス会 「きょうちゃん」の日記
今日は、クリスマスでケーキを食べる日です。かどうか知らないけれど、ケーキを食べた。
3個食べたので、3回歯磨きをした。

ママがぎっくり腰になったといって、パパが仕事を休んだそうだ。